こんにちは、牧野直子です。
地産地消についてお話したいと思います。
地産地消とは
「地産地消」とは、地元で生産されたものを地元で消費すること。
その地域で生産された素材を積極的に使うということですよね。
「地産地消」という言葉は、食材で使われることが多いかもしれません。地元で生産された野菜などを地元のお店で出すようにする、といったように。
輸送コストも下がるし、その土地で育ったものは、基本的に、その土地で暮らす人の体にも自然になじむものが多いから。
でも、今回は食材だけじゃなくて、建材の話もしたいと思います。
建材の地産地消も、生産者じゃなく使用するほうでも、メリットがあるんですよ~。
埼玉県深谷市はレンガの街
例えば、埼玉県深谷市はレンガの街。
レンガの大きな工場 日本煉瓦製造株式会社がありました。
残念ながら、今は工場は閉鎖してしまっています。けれども、深谷市は、レンガの街として盛り上げていこうと、助成金が出るようですね。
レンガの生産地として栄えた街。そのレンガを、建材として使いましょうよ、ということです。
単純に安く手に入るからとか、そういう理由ではなく、レンガを使うことで、その町の歴史に敬意を払う思いが加わり、深みが増してきます。
お店のオーナーさんと、お客様の距離が近くなる
例えば、カフェやバーなど、オーナーとお客さんの距離が近くて、お客様と仲良くなったほうがいいようなお店ってありますよね。でも、なかなかお客さまに話しかけずらい人もいる。
普通、初対面の人に話をするには、当たり障りのない世間話や、お客様の容姿から想像する話。でも、それでは、すぐに話が終わってしまう。
そんな時に、地産地消の建材を内外装に使っていると、それが話のネタとして、話すきっかけを作ることができます。
そして、東京駅と深谷駅の駅のデザインが似ている、といった話から、東京駅も深谷産のレンガが使われていた、というように話を掘り下げていくことができます。
ちなみに東京駅の設計は、辰野金吾。鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドルのお弟子さんです。
【レンガ造りのJR深谷駅】
【レンガ造りのJR東京駅】
深谷製のレンガは他にも、旧東京裁判所、日本銀行、慶大図書館、横浜開港記念館と、味のある建築にたくさん使われています。
コンセプトと違う地産地消はどうしたらいいか
こういう意味でいえば、必ずしも、壁や天井に使わなくてもいいかもしれません。そのお店のコンセプトとはちょっと違うなあっていうものは、無理に使う必要はないですからね。
話を膨らませるため、という切り口であれば、新しく解釈を入れて、使ってもいい。
刃物で有名な高知県
例えば、高知県は刃物で有名。伝統工芸品ですよね。
刃物には高知の良さがある。
しかし刃物を飾るには、ちょっとお店のコンセプトや雰囲気にあわないな、っていう場合もあると思います。
でも見てください。こんなかわいい刃物もある!
もしこれだったら、お店に飾ってもかわいいし、商品として売ってもいい。
伝統的なものを新しく解釈を加えて、自分の世界観の表現にしてもいいのです。
お店に飾る小物のセレクトは、オーナーの世界観の表現になります。
自分の世界観を、お店に取り込むことってとても大事 なんですよね。
伝統工芸の刃物、という話題も、土佐湾のクジラという話題も、ここから広げることができる。そして、お店の世界観も表すことができる。
話のきっかけとして、深みとして、世界観として
そういう意図で考えれば、その地域の建材、その土地ならではの特産物、工芸品を積極的に使用していくことは、かなり深い意味があると思います。
参考にしていただければ幸いです。