こんにちは、牧野直子です。
「ざんねんないきもの事典」とってもヒットしましたよね。
うちの息子も、誕生日プレゼントとして、この本を買ってほしい!とおねだりするほど。
どうしてここまでヒットしたのか、そこに、面白さを作りだすヒントがあると思うので、考えてみたいと思います。
2018年3月20日現在。『ざんねんないきもの事典』52刷102.3万部、『続 ざんねんないきもの事典』20刷65.5万部だそうです。すごい売れ行き!
編集者の方によると、ターゲットは「小学校4年生の男の子」
うちの息子は3年生なので、まさしくピンポイントでしたね。
「ざんねん」という切り口
事典といえば、その動物のかっこいいところ、すごいところを特徴として記してあるものがほとんど。しかし、反対の「ざんねん」というところに切り口を持って行ったのが秀逸。
人間から見て意外性のあるところ、少しばかり笑える本性に、興味をひかれます。いいところも悪いところもあって、人間らしさ、愛嬌を感じる。だからこそ、動物だって、いいところも悪いところも知ってこその愛らしさを感じるのでしょう。
また、ざんねんな点というのは、「なんでそうなったの??」という不思議を解き明かしたい要素でもありますよね。クイズ的な要素もあるんだと思います。
ゆるいイラスト
ざんねんという切り口と、それに相乗効果を作っているのが、ほんわかするゆる系のイラストですよね。写真ではないというのも、今までの図鑑の逆をついています。
それに、くすっと笑えるセリフや、文章が一緒に書かれてある。これはほのぼのするし、癒される。
イラストも児童書だとカラフルなものも多いけれども、彩度を落としぎみのシックなトーンです。それもいいのかもね。
おさえるところはおさえる
そしてこのイラスト、ゆるいからと言ってキャラクターのようにデフォルメしたイラストではない。ある程度、忠実に再現されたイラスト。
さらに、ページの下には、生息地や、大きさ、特長といった従来の図鑑にのっているような情報もしっかりおさえてあります。
図鑑で紹介されることの少なかった“ざんねん”をキーワードにしたことで、大人も知らない情報が多く掲載されています。大人も子ども一緒に楽しめるというものも、ヒットの原因だと思います。
大人も知らなかった切り口、大人もイヤにならないほどよいイラスト。これが一緒に楽しめる要因ですね。
ざんねんないきもの事典のヒットの秘密
まとめると、
今までなかった切り口
いいところも悪いところもあってこその、親しみやすさ
不思議に思うクイズ性
ゆる系のイラスト
親子一緒に楽しめる
図鑑として、おさえるところはおさえる
といったところでしょうか。
また、動物の面白さをどんどん引き出してもらいたいものです。