こんにちは、牧野直子です。
懇親会の席で、マーケティングの師匠、藤村正宏先生から聞いた面白い話をご紹介します。懇親会こそ、すごい気づきがあるんだよな。だから、私は少人数のセミナーのほうが好き。
そこで質問です。
ディズニーランドの中で、スプラッシュマウンテンとカリブの海賊はどっちがリピート率が高いか??
さあ、あなたはどっちだと思いますか?
人間心理の分析
〇〇マウンテンって、すごく並んでるイメージあるけどね~。
でも、実際はカリブの海賊なんだそうです。
なぜその違いが出てくるか。
スプラッシュマウンテンは、みんなが滝から落ちるあのスリルを最初っから期待している。
パークの中から見えるしね。あの山からキャーっていう声とともに、船が落ちてくるさまが。
ようは目玉がとてもわかりやすい。
一方、カリブの海賊は、薄暗いところで舟にのって、最初の最初に意表をついて、急降下。
意表をついた驚きと、それが済んだあとは、その世界で繰り広げられるものを落ち着いて見られる。
カリブの海賊の展示は、ストーリー性があって、どんな話の順序で展開されるか、見ている方もしっかり脳裏に焼き付いて、よく覚えている。
ストーリーをどう語るか
でも一方、スプラッシュマウンテンはどうだろうか。
スプラッシュマウンテンだって、滝から落ちる前、アトラクションの中で、結構面白いストーリーが展開されているよね。でもそのストーリー覚えてる??
ほとんど覚えてないよね?
それは、いつあの急降下がやってくるんだろうって、みんながそればかりに集中してそわそわしているから、ストーリーなんて頭に入ってこない。
そんなからくりがある。
なるほどですよね!
カリブの海賊は、ウォルトディズニーが存命中のときに作られたけれど、スプラッシュマウンテンは、もう亡くなったあとに作られたらしい。だからそういった細かい世界観が伝わりきらなかったんじゃないかと。
美ら海水族館のジンベイザメ
美ら海水族館も同じ論理だそう。あそこは、ジンベイザメがあまりにも有名なために、みんなジンベイザメ見たさに、最初の展示は足早に通りすぎていく。ジンベイザメは水族館の最後の最後に出てくるから。
それまで、とってもいい展示をしているのに、ちゃんと見てもらえていない。もったいない。
人間心理とリピート率
私も、一日にショールームを3つぐらい見て回ろう、という日があるのですが、どんなルートを選ぼうかと考える時、まず最初に一番見に行きたいショールームを最初に設定します。
乗り換えや遠さの関係もあるけれど、一番見たいショールームをあとに設定してしまうと、最初のショールームを見るときにソワソワして、早く次に行きたいっていう気持ちになってしまうんですよね。
それと似ているかもしれません。一番、興味があって見たいものがあると、その前のものはおざなりになってしまう。早くそこは通過しなきゃって思います。
でも、ゆったりした気持ちで、それに集中してそれを見ることができると、それはとても頭に残りやすい。さらに、そこに、ストーリー性があって、世界観があって、、となれば、それが終わったあともずっと余韻にひたりたくなる。
ということでした。
この心理、お店作りや施設づくりに、発展させられますね。お店やギャラリーの順路を考えたり、どうやってその施設の売りを作るかなどね。とても考えさせられる事例でした。私ももっと面白いものを提案していきたいと思います!