こんにちは、お店をお客様がワクワクする空間に変える一級建築士、牧野直子です。
新宿御苑の近くや四谷三丁目のあたりを街歩きしていて、かわいい~!!と目に止まったお店がここでした。
「鶴と私の恩返し」というカフェ。パンケーキ押しのお店みたいですね。今回は時間的に入店はしませんでしたが、脳内に濃~くインプットされたので、次の機会に行ってみたいと思います♪
四谷から新宿御苑のあいだもたくさんお店があって、商店街の中を歩いたので、何百店か見ているはずなんだけど、外観で心をワシづかみにされたダントツ第一位でした。
いいなあと思ったものに出会ったら、なぜそれがいいなあと思うのか分析してみる。これが大切だと思っています。なので、なぜいいなあと思ったのかその理由を分析してみたいと思います。
いいなあと思った理由
センスがいい
やっぱりこれですよね。まずは直感です。お!!っていう笑。
センスがいいなあって、一目惚れのような感じです。それで立ち止まりました。
道路から引き込みがあって、アプローチがある
そして、なぜ立ち止まったかというと、店舗の入口が、道路境界から少し内側に入っていて、道路と入口の間にアプローチがあるんですね。お店と道路の境界ゾーンのことをバッファーゾーンともいうのですが、これがある、というのが大きいと思います。
新宿近辺ということで、地価が非常に高いエリア。だから、テナントビルを作る時、面積が大きいほうが家賃が高く取れるから、道路ギリギリまで店舗にするのがほとんど。
こういう設計にした方、そしてそれを認めてくれた施主さんにブラボーと言いたい。これによって、お店の印象が変わるからです。
だから、本当はちょっと引き込んでいても、その分集客力があがりますよ!と言って、家賃を高めに設定することが可能なんですよね。
では、そのアプローチ部分がどんな風になっているか、細かく見て行きましょう。
パラソルがある
お店の前にパラソルと、チェアが2脚あります。でも、ここはお客さん用の席ということではなく、あくまでディスプレイですね。テーブルの上に、お店の案内とメニューが置いてありました。これもとても上手い!街を歩いていて気になった人が、パラパラとそれを見ることができます。
季節の飾りつけ
そしてそのパラソルには、秋を感じさせる黄色や赤の葉の飾りつけ。これはフェィクフラワーですが、そこは気になりませんでした。これが絡んでいることで、単なるパラソルじゃなくて、ディスプレイ感がとても出てきています。
パラソルから花瓶をぶら下げているのも憎いですね。
さらには、お店の入口の前に、かぼちゃがディスプレイされています。
ドアにドライフラワー
2階の店舗に行くための階段が右側にあるのですが、ここにもドライフラワーが飾られていました。2階のお店の人が飾ったのか、1階のお店が飾ったのかわかりませんが、センスの良さが統一されています。
アーチがある
お店に入る儀式として、くぐる、またぐという行為は、私たちの気持ちを切り替えてくれるもの。アプローチ部分が、大きなアーチになっています。心理的にもお店へ誘っています。
横からの顔もかわいい
建物の横も、隣地が空地になっているので道路を歩いていると見えてきます。もともとの建物の外壁はタイル。道路側の1mぐらいを、タイルの上に細工をして、白い壁にしています。そして、そこにお店の名前や電話番号、夜にはそれが光るようにライティングまでされています。
さらに上部の方には、袖看板。この袖看板もシンプルでおしゃれですね!
まとめ
以上、いいなあと思うことを箇条書きにしてみました。
普通は、敷地いっぱいまで建物にしてしまう。あるいは車社会のお店なら駐車場にしてしまう。というところが殆どだと思いますが、ちょっとそこをお店を演出するアプローチに変えることの効果を改めて感じました。
道路を歩いていて、一目惚れするようなこんなお店、ぜひ目指してくださいね~!