こんにちは、牧野直子です。
先日、上野動物園に家族で行ったのですが、私一人ちょこっと抜け出して、東京国立博物館のマルセルデュシャン展に行きました。
マーケティングの先生、藤村正宏さんが、この展覧会をオススメされていたから。見た方がいいよ~って言われれば、行かなきゃね。
それに、デュシャンと言えば、建築学科で仲間たちと、面白がって何度も何度も議論したアーティスト。見方を変えることの意義や深さを、よく考えたものです。とっても懐かしい思い出もある。
東京国立博物館の一番奥にある平成館。ここで開催されていました。
デュシャンの絵画は、普通に上手
ピカソもそうですが、自分のスタイルが確立される前の作品って、絵描きとして、普通に上手。デュシャンもそうでした。
【デュシャンも、普通に絵が上手!】
デュシャンって、インスタレーションの作品が多いし、文献でも、そういう作品しか見たことがなかったから、ちょっと嬉しかったです。
何も基礎ができていない人が、新しいものを作ろうとしても、それは芸術じゃない。ちゃんと基礎があってこそ、そこからどうするか、どうやって自分の方法を創り上げるか、どんな見方をするか、そこが芸術なんですよね。
【デュシャン展の様子】
現代芸術のイノベーション「泉」
そして有名な、便器を逆さに置いてサインをすることで、芸術になる、と言って、物議をかもした「泉」も展示されていました。
今の時代にこれを見ると、ふーん、とかいう風に思うかもしれない。現に、私の子供を誘ったときも、え!トイレがアートなの?って言って、理解してもらえなかったもんね。
【トイレがアートになった「泉」】
アートといえば、油絵の絵画がほとんどで、その表現をどうすか、ということが問題だった時期に、初めて、「泉」を提示したからこそ、エポックメーキングなわけです。
そのあとの現代美術の礎になった。レディメード(既製品)でも、見方を変えるとアートになるんだって。後の現代美術の巨匠、アンディウォーホルの作品にもつながっていくわけです。
「遺作」のメーキングビデオ
有名な「泉」も実物が見られるのですが、私は、「遺作」のメーキングビデオを見られたのがとても良かった。
ドアのふたつの穴を覗くと、壊れたレンガの先に、裸体の女性がランプを持って、足を広げて、草の上に寝転んでいるのが見える。というもの。
学生の頃は、このどう見えたか、その後の写真が掲載されていて、それを見ると、なんてエロティックな作品と思っていたのですが、アートを見る行為を覗きという行為に変換してしまうという装置だったのですね。。実物見てみたいな。フィラデルフィア美術館だそうです。
このデュシャン展では、日本美術との対比も展示されていて、見方を変える面白みが出来るようになっていました。
あとデュシャン展ではないですが、帰り際に、入口近くに、TOTOがパロディ?でトイレを展示したのがウケました。これは完全に宣伝だけどね。。
【TOTOが便乗してました笑】
アートにふれる大切さ
たまにはアートに触れるのもいいですね。上野にはそういうところがたくさんありますし、他にもたくさんあります。出来れば、子供たちも連れていって、文化的な経験をたくさんさせたいな。