こんにちは、食・心・育を大切にしているしょこいく建築士の牧野直子です。北川景子さん主演で、「家売るオンナ」というドラマが始まりました。
建築士という職業柄、家を売るというキーワードにひかれ、これは見にゃならん、と思い立ち見てみました。
初回のテーマは「子育て」
自称“日本一の子育て環境づくり建築士“の私(笑)としては、「子育て環境」どんぴしゃじゃないですか!!
家売るオンナ お客様は子育て中の医師夫妻
お話の中身は、というと。
産婦人科の医師夫妻が、お客様。
新人クンが、何度も内見に連れて行っていて、感触はいいのに、なかなかウンと言ってもらえない。そこに、新しく転任してきたチーフ(主人公)が同席する、というもの。
その前フリとして、新人クンに主人公が同席すると、なかなか売れなかった家をいとも簡単に売ってしまった、というエピソードがありました。
本題の産婦人科の医師夫妻。
保育園の息子がいて、子育てはほとんどおばあちゃんまかせだったよう。そのおばあちゃんが亡くなってしまって、実家に住む意味がなくなり、勤務する病院の近くの新築一戸建てを探していた。という設定。
新人クンが紹介するのは、病院からは離れているけれど、希望どおりの3LDKの新築一戸建て。最新の設備が整っているということをこれでもかと強調します。
そして最後には、病院の近くにはお望みの物件がないから、もうこれで手を打ってください。じゃないとボクのクビが飛ぶんです。。ってオイオイ
すると奥様が、「リビングイン階段じゃないじゃないの?これはゆずれません!」
子供がリビングの中を必ず通って、2階に行くので、様子がわかると。
そうそう、それは子育て住宅では常識のように言われていることですね。
お客様の要望からは見えない問題を考える
この時は、主人公は沈黙を押し通しています。
そして、物件から病院へ送る車の中、はじめて口を開く。
「リビングとはなんでしょう?毎日、誰もいないリビングを通り、階段を上るお子さんにとっては寂しい階段です。あの家もリビング階段も、先生の家には向いていません。」
その代わり、見ていただきたい物件があります。と他の物件を提案します。
でもそれは、希望していた3LDKの新築一戸建てではない1LDKのマンション。
希望と違うと怒る先生。しかし、「お二人とも当直でご子息が一人になってしまう今晩、ご子息の子守りをしますので、そのかわりに、その物件を内見してください。」と引き下がらず頼むのでした。
そして内見してもらった物件。
1LDKのマンションは、リビングがとても広く、その中に、夫妻の書斎、お子さんのプレイスペース、食卓、キッチン。すべてが見渡せます。
さらに、窓を開けると、夫妻が勤める病院が真向いに。新人クンを病院の屋上で待たせていた主人公は、新人クンに声をかけると、はーい!と答えます。
もしご子息がおひとりの時も、近くにご両親を感じることのできる家です!
「リビングイン階段はありませんが、リビングイン全部、いかがでしょうか?」
息子も、「僕、ここがいい!!」
主人公の心の中、「(落ちた!)」 ←これ、面白かったです(笑)
夫妻は即決で、マンションを購入することを決めました。
ちなみにこのマンション、営業所の誰もが売ることができずに困っていた物件でした。
私の感想
保育園児を誰もいない家で一人でいつも待たせているの?
川の字で寝てくださいというベッド、狭すぎないか。。
とか、ツッコミがあるものの、これはわかりやすく表現するための演出と思えばOK。全体的に、私も感じている家についての本質的なことが、うまくストーリーとして描かれていたと思います。
主題は、
最新式の設備が整った豪華な家よりも、家族の温かさを感じる距離の家
リビングを通る階段、対面式キッチン、、これらは子育て住宅では基本と言えるアイテムですが、家族の形によっては、違う形のほうが良いのかもしれない。
本当に大切なものは何か、家ではなく家族なのです
そして、お客様のライフスタイル、人生観を知ることで、本当にお客様の欲しいものを理解できるんですよね。
お客様の家で一泊過ごすなんて、なかなか出来ないですが、お客様を知るという意味ではうらやましい限り。
店舗の内装を設計する時は、そのお店が普段営業している時の裏の様子を確認することはあるんですが、これはすごいよなあ。
そして、決して本人たちが希望している中に、最適な解があるとは限らないのです。
お客様も気づいていないところに、家族を幸せにするカギがあるかもしれません。
そして、そのカギを探そうと私たちはがんばるのです。
お客様は家が欲しいわけじゃない。家を通して、自分たちの生活がいかに素晴らしくなるか、その体験を買うということなんですね。
職業的にも面白いドラマ、今後も見てみようと思います!